2015年11月06日

ヤマトクルー様で予約受付中の〈キリシマ〉ガレージキット。11月9日(月)朝10時予約締切です。

知らなかった そんなの・・・( ̄△ ̄;)

皆さま。よろしくお願いいたします。m(_ _)m

ヤマトクルー様ホームページはこちらから。

2015年10月26日

ヤマトクルー様から1/500〈キリシマ〉ガレージキットが発売です。

お知らせです。
ヤマトクルースタッフの皆さまのご厚意により、昨年の〈次元潜航艦UX-01〉ガレージキットに続きまして、宇宙戦艦ヤマト公式ファンクラブ ヤマトクルーから1/500金剛型宇宙戦艦〈キリシマ〉ガレージキットが販売されます。
まずはご予約承りから。詳細はヤマトクルーホームページをご覧下さいませ。

皆様。よろしくお願いいたします。m(_ _)m

<商品データ>
金剛型宇宙戦艦〈キリシマ〉
■1/500スケール 原型全長410ミリ
■レジン製組み立てキット 全29パーツ
■本体パーツ電飾対応(艦橋パーツは透明レジン製)
■水転写式デカール付属(「きりしま」の艦名と艦ナンバー、国連宇宙海軍等)
■原型製作:SOY-YA!!
■製造:R.C.ベルグ

〈キリシマ〉1_640_480.jpg
画像は私が製作した2作目の〈キリシマ〉ガレージキットです。使いこんだ船というイメージで塗ってみました。

〈キリシマ〉1_640_480.jpg
今年8月に開催されたキャラホビマーケットの発売時とキット内容に特に変更はございません。

〈キリシマ〉5_640_480.jpg
電飾対応で本体パーツを中空にしたのですが、それでも凄く重いんですよ。おまけにデカイので、製作中にあらぬ所にぶつけてパーツを破損させないようにお気を付け下さいませ。

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念のためにお断りしておきますが、1/500〈キリシマ〉ガレージキットは、ご自身で組み立て塗装する組立キットです。完成品ではございません。よろしくお願いいたします。

c 2012 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会

2015年07月06日

1/500〈キリシマ〉ガレージキットへの道(3)

いきなりですが、途中過程を全て吹っ飛ばして〈キリシマ〉原型完成しましたので報告です。

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3月〜5月とほとんど中断状態で、6月から本格的に再開したんですけど想像以上に時間かかりました。
もう、とにかくやり直しの連続で、何回やり直しても気に入らない。うまく出来ない。
これって歳のせいでしょうか? いやいや年齢ゆえのこだわりと信じたい。でも多分最初から下手なんだと思う。
難関は艦底部の大型インテーク。それからほとんど作り直した艦橋。そして全部引き直したスジ彫り。

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インテークのフィンは1枚1枚新たに作り直して、本体との整合性を高めました。全部で17枚のインテークは全部本体にぴったりくっつきますよ。ですのでインテークパーツは本体接合部のみ接着して、フィン1枚1枚はたぶん接着剤付けると“はみ出し”の処理がメンドクサくなっちゃうので、本体に接着しないほうが無難かも知れません。
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それから塗装前にインテークを取り付けてしまうと喫水線の塗り分けが出来なくなるので要注意です。
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作例の塗り分け部分と
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作例製作時です。

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艦橋はほとんど作り直しです。作例と同じなのは土台と砲口のみ。設定画ではなく劇中の横からのアップを参考にしました。
もともと作例の艦橋は平べった過ぎだったんですよね。で。作り直したんですが、なんかどうしてもイメージ通りの形にならない。その度に窓枠を何回削ってやり直したかわからない。

これらの2つのパーツだけで、ふてくされて作業を放棄した時間を含めて(笑)凄く日時がかかりました。
そんでスジ彫りが小学生が、いや小学生の方がもっとマシかもってんで全て引き直したんですが、なんか変な癖が付いちゃって全然まともに引けない。特に艦上部と底部に上下対称に付いてる垂直ミサイルハッチとブラスト・デフレクター!お前らオレになんか恨みでもあるのか!(笑)

それからいつものパターンですが主砲の砲口は生産の関係上、全て塞いでありますので組み立てる方、ご自身で開口して下さいませ。

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え〜、さてそんな訳で、とりあえず原型は完成したのですが。格納庫内部はがらんどうです。漢字で書くと伽藍堂((゚Д゚ )ヘェ~)。以前もお伝えしましたが、ご要望が多ければ、(ラッタル含む)エッチング付の格納庫パーツを考えます。ちなみに画像確認しづらいですがラッタルは細切りプラバンで一応再現してます。

あ、そうそう。台座は今回定番のバカ台座ではなく、〈コルドバ〉と同じシンプルなものです。最初は赤く焼けた地球の大地をベースにしようと思ったのですが、脚が思った以上にゴッツくてベースがちっとも栄えない。やめた。意味が無い( ゚д゚)、ペッ
いずれ〈ヤマト〉を含む国連宇宙海軍用のバカ台座を製作したいですね。

話が逸れますが、尊敬するモデラーのお一人、岩井秀さんのツイートに
「ガレキ原型とか一番つらいなー、だってほんと作ったそのままが購入者様のお手元に渡るわけじゃんw」(無許可掲載お許しくださいm(_ _)m)というのがあって、なんかすごい触発されました。てか変なスイッチ入っちゃった。( ・`ω・´)=3
おかげでさらに3日ほど原型に手をかけました(笑)ありがたや〜(-人-)


残り7月一杯は1/2400〈コルドバ〉に全力を注ぎます。
8月からはキャラホビや〈キリシマ〉〈コルドバ〉〈ミネルバ〉キットの詳細についてもう少し詳しくお伝え出来るかと思います。

それまで皆さま生暖かい目で見守って下さいませ。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m

2015年06月19日

もう3日も

〈キリシマ〉の艦橋を修正しています。
窓枠はカッティングマシンで切り出したものを貼っていた(10回以上やり直した)のですが、どうしても精度に限界があるので、エバーグリーンの極細プラ棒を並べて窓枠を作り直しました。

こんな時は精神的に限界で、岡田斗司夫さんの絶盤プラモ本に紹介された四角いバルサの塊から形を削り出す、大昔の模型の紹介文章みたいに「こんなもん出来るわけないだろ、バーカ」となってしまいます。

そんで何もかも放り出して、丸1日寝てしまいます。
でも、小人さんや妖精さんは絶対に助けてくれないので、仕方なしに起きて作業を再開します。

私は1作作る度に必ずこうなります。

ああ、そうだ。
艦橋は透明レジンにします。


残念なお知らせ。

1/500〈キリシマ〉の格納庫内部再現はやめにしました。
Twitterで設定画を探すのにご協力頂いただ皆さま。申し訳ございません。
あまりに細かすぎて再現が出来ません。
それで相談を持ちかけた人から「別になくてもいいんじゃない? 格納庫開けないし」と言われました。

ただ、他の皆さんのご希望が、そうですね、売れた数の半分以上あれば、次回参加のイベントで「拡張セット」として、レジンキャストとエッチングパーツの格納庫内部のパーツを申請します。
ついでなんでエッチングパーツにはラッタルもお付けする予定です。
ご希望の方は格納庫周囲のパーツをガッチョリ接着しないでください。
それと格納庫希望とコメントや当日イベントでお知らせくださいませ。m(_ _)m



話変わって、すごいプロジェクト(?)が始まりました。
信じられません。
引退して積みプラを崩す日々を楽しみにしていたのに。(´;ω;`)
復帰します。

誰かがこれを やらねばならぬ
期待の人が 俺たちならば

しょうがない、がんばるか。

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勝手に祭り上げた造形の女神様〜!!
なにとぞ、お力を与え給え〜!なむ、なむ、なむ、なむ〜!(-人-)

2015年02月22日

1/500〈キリシマ〉ガレージキットへの道(2)

前回のブログで予告しました。
2012年7月22日に旧SOY-YA!!ホームページに掲載していた「1/500〈キリシマ〉製作記」でございます。
この先に書いてあるのは2012年、電撃ホビーマガジン誌に掲載して頂いた作例製作時のお話です。現在のお話ではありません。
くれぐれもこのページのタイトルと最後の画像だけ見て「ついに〈キリシマ〉ガレージキット完成しましたね!! 予約します!!!」なんてメール送ってこないようにお願いします。(いないと思うでしょう?)
それでは2012年7月22日に旧SOY-YA!!ホームページに掲載した「1/500〈キリシマ〉製作記」をご覧ください。(これだけ書いてもいるんです。)(´;ω;`)


1/500〈キリシマ〉製作記

まずは近況など
皆さま。ご無沙汰しております。SOY-YA!!でございます。当ホームページに、このような形で文章を書くのは久しぶりですね。
昨年の震災からホント色々ありましたが、大きな進展(?)というと、電撃ホビーマガジン編集部からほぼ順調(?)に作例のご依頼を頂いているということでしょうか。m(_ _)m
これまでに1/700〈巡洋艦〉〈パトロール艦〉(スクラッチ)。1/144UC版〈ザク・マリナー〉(HGUC発売以前のミキシングビルド)。 1/144UC版〈ズゴック〉。 1/144UC版〈ベース・ジャバー〉(HGUC発売以前のスクラッチ)。 「ガンプラビルダーズD」1/144〈ヤクト・ギラ・ドーガ〉(ミキシングビルド)など、 まさか私がガンプ作例やるとは夢にも思いませんでした。 ちなみに電撃ホビーマガジン4月号のプロフィールには〈ザク・マリナー〉でデビューした新人。 と書かれています。そりゃ新人ですけどね。40ウン歳で新人って、なんかヘンな感じです(笑)。

「宇宙戦艦ヤマト2199」万歳!!
で。ついにやってまいりました「宇宙戦艦ヤマト2199」でございます。あなうれしや。今回、この作品を盛り上げるためのお手伝いが出来たことを心から感謝・感激しております。
皆さん「2199」に対するご意見は様々でございましょうが、「2199」は若い世代へ“ヤマト”を引き継ぐ作品だと私は思うとります。私のようなオジジがあれこれ言っちゃイカンのです。(意見には個人差があります)
んで、そもそも電撃ホビーマガジンで製作文を掲載して頂いたにもかかわらず、なんでこのようなページを作ったかといいますと。 今回私に与えられた製作文の文字数は750文字以内で、とても製作の全行程をお伝えすることが出来ません。 そこで久しぶりの更新も兼ねてこのページを作りました。
なお、編集部から頂いた資料や電撃ホビーマガジンに実際に掲載された誌面画像はホームページに掲載することはできません。ご了承下さいませ。m(_ _)m  あらかじめお手元に電撃ホビーマガジン8月号があるとウレシイです。

はじまり
それは突然やってきます。今年の2月に編集部から電話がありました。最初の依頼は1/500〈ガミラス艦〉でした。 この頃はまだ編集部でも「2199」メカの認識(知識?)が十分でないようで、スケールもただ漠然と1/500スケールでした。
で。2月末に編集部へ打ち合わせにお邪魔すると、なんか話が違ってる。
アキバレンジャーが表紙の発売されたばかりの電撃ホビーマガジン4月号(おお。私の〈ヤクト・ギラ・ドーガ〉が載ってる!!)を持ってくると、そこには第1話登場の地球側、ガミラス側双方の戦艦のイラストが! 
で。「〈キリシマ〉をですね。1/500で・・・。」(結局〈ガミラス艦〉は桜井大総統がお作りになった)
この時、真っ先に浮かんだのはファインモールド製1/500〈艦隊旗艦〉でした。そりゃ、この時期だったら誰でも発売されたばかりのそれが思い浮かびます。
「小さいなあ」正直そう思いました。しかし掲載されている〈キリシマ〉のスペックをよくよく見て、だんだんボケた頭がすっきりしてきました。
「ちょっと待って下さいよ。205メートルの1/500つったら、41センチもあるじゃないですか!」
「迫力ありますね。じゃ、それでお願いします。」
こうして1/500〈キリシマ〉の製作が結構あっさりと決まりました。

設定画稿
「宇宙戦艦ヤマト2199」には“YAMATO MECHANICS”のtamaさんこと玉盛順一朗氏がメカニカルデザインとして参加されております。
かつて〈主力戦艦〉や〈宇宙空母〉原型製作の際はtamaさんのイラストを大いに参考にさせて頂きました。m(_ _)m  図らずも今回再び玉盛氏の手がけられた〈キリシマ〉に携われたことを大変うれしく思っております。m(_ _)m
打ち合わせから数日後、設定画稿のコピーが編集部から送られてきました。
送られて来たのは〈キリシマ〉の五面図と前方、後方パース、その他数点。 少な! この時は作品内容に対する徹底な情報管理がされていたので、編集部が出し惜しみをしているかと思いました。 1/500〈キリシマ〉が掲載されている電撃ホビーマガジン8月号、306〜307ページに設定画稿が掲載されていますが、 本当にこれ(+未掲載1点)しか無かったのです。
ネット上では劇中の画像がポチポチ出回り始め、〈キリシマ〉のアップシーンには(作画の際に描き足されている)細かいメカ描写があるのに、それに関する資料が全く無いのです。
で結局、編集部から送られてきた設定画稿+ネットで拾った画像多数(この頃は動画はまだ予告PVしかなかった)を参考資料としました。

骨組の作図
まずは〈キリシマ〉のラインを徹底的に頭に叩き込みます。
私はいつもそうなんですが「これを作ろう」となっても、メカの線がどこからどこへ繋がっているのか、さっぱり理解出来ないんです(〈コルドバ〉の時は特にそうでした)。そもそも向いてないんですかね?
で。五面図をスキャナでパソコンに取り込み、Photoshopで実際に製作する1/500スケールのサイズに拡大プリントして構造を徹底的に把握します。
この五面図が最初からあるのは全然マシな方で、パース画しか無い場合は図面を引かなくてはなりません。 この方が線が頭に入りやすいのですが、やはりあらかじめ五面図があるのは助かります。
製作開始にあたり、まずは本体骨組の作図をしますが、1/500スケールの五面図を下絵にしてAdobe Illustratorで作図していきます。こういうのは商売柄まかせろ! もうIllustratorやPhotoshopを使って15年以上生活の糧を得ています。
これをプリントして1.2ミリプラ板にスプレーのりで貼り、デザインナイフで切り出して行きます。世の中にはカッティングプロッタという素晴らしく便利なツールがあるそうですが、そのような高価なマシンは、一人前になるまでまだまだお預けです。

kirisima_sakuzu.jpg
五面図を下絵にして作図した骨組の図面。

骨組の組立
切り出したプラ板を組み立てていきます。プラ板を差し込むためのスリットは幅に少しだけ余裕を持たせてあります。 あまりキチキチにしてしまうと、組み上がった時にストレスが生じて骨組が歪んでしまいます。
これだけが枚数あると必ず間違ってサイズの合わないフレーム(番号ふってあるパーツ)が出てくるので、もう一度、五面図を見ながら作図し直します。 ちなみにフレームの配置箇所は五面図にあるスジ彫りの位置を基準にしています。また、キールやフレームは後から1.2ミリ厚の細切りプラ板を貼るので、 あらかじめその厚さの分だけサイズを小さくしています。

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電撃ホビーマガジンに掲載して頂いた骨組写真の同時撮影カット。

外板の組立
以前の私ならフレーム間にポリパテを盛って艦体を作っていたのですが、今回は1.2ミリプラ板を3ミリ幅に細切りにして、 外板として貼り込んでいきます。細切プラ板同士はフレームがカーブしているため斜めにくっつき合うので、 切断面が少しでも斜めになるようにPカッターでザクザクと切り離していきます。
艦首や艦尾など先細っていくところは、外板を細長い三角に切って、すき間を埋めるように貼っていきます。
接着はプラ用接着剤を使っていると、乾燥するまでに外板がバラけてしまうので、高粘度の瞬間接着剤と硬化スプレーを使って強着していきます。 下の画像、艦尾の外板を貼っていない箇所は、〈キリシマ〉特有の蛇腹ディテールが入るのでそのまま残してあります。 全部貼り終えたら、全体が丸くなるように金ヤスリと番手の大きいペーパーで形を整えます。
しかし、でかい! この時点で同じ大きさ(約40センチ)の〈宇宙空母〉や〈コルドバ〉よりもボリュームがある。日干しして縮んだ大根みたいです。

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同じく電撃ホビーマガジンに掲載して頂いた、外板を貼り終えた写真の同時撮影カット。

アウトラインの製作
ここまでの作業は五図面に合わせてなるべく正確なラインになる様に組み立てました。
船体の基本的な形ができたら、次は側面のバルジ(追加装甲)や最上甲板をプラ積層で貼っていきます。 ここからは、自分なりに考えた「こうしたらカッコいいんじゃないか」的要素を加えていきます。 SOY-YA!!の作品は以前から「マッチョなボディ」とか「ボディがエロくてけしからん」(笑)と言われるので、今回もそれを目指します。
側面バルジのライン(エッジというべきか)はカラーの設定画稿や劇中では、はっきりとした線とは捉えられない、 ぱっと見はそれほど強調されたものではないのですが、玉盛氏の設定画稿ではけっこうしっかりラインを描かれているので、 私もそれをまねてかっちりした無骨なラインとしました。
主砲や8連のミサイル発射管がある艦上下(無重力では下も甲板って事で)の甲板は、正面から見ると平たいドーム上のラインになっていますが、 少しだけ甲板を高くして、カーブの丸みを強調しています。
話ぜんっぜん違いますが、昨年までやってたNHKのスペシャル大河「坂の上の雲」の戦艦〈三笠〉って凄いカッコイイですね。 私は正直、明治の頃のチビで寸胴な戦艦を馬鹿にしていたのですが、あの劇中の力強い進撃シーンを観て考えが変わりました。 (会戦シーンは勝者も敗者もない血まみれの地獄絵図でしたが) 今回の〈キリシマ〉って、何となくその影響を受けているかもしれません。
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スジ彫り
電撃ホビーマガジンでも書いてますが、スジ彫りはホントに苦手です。
失敗だったのは、艦体のスジ彫り毎に骨組フレームを配置したのにもかかわらず、せめてその位置が判るようにしておかなかったことです。 五面図を頼りにラインチゼルとエッチングノコで艦体を1周するスジ彫りを始めましたが、上面図、側面図、下面図通りにスジ彫りのラインが1本に繋がらないのです。 いやあ。手こずった。 あ〜、また失敗! へたくそ。やんなっちゃう。
とにかく1箇所、艦体を1周する基準となるスジ彫りを引き、ここを基準にデバイダーを使って次のスジ彫りラインのアタリを何箇所か付けて、 それを繋ぐように今回初採用のダイモテープを貼ってスジ彫りのガイドラインとします。 そのスジ彫りが終わったら再びデバイダーで次のスジ彫のアタリを付け・・・。 を繰り返していきます。
線がヨレたら、軽い場合は耐水ペーパーのエッジでラインを整えるか、低粘度の瞬間接着剤で埋めて彫り直します。
窓状の四角いディテールやヒンジ部の台形部分等はエッチングテンプレートを使用して、ケガキ針でゴリゴリ彫っています。
逆に艦底部の垂直離着陸用ノズルの台形ハッチ部分は0.3ミリプラ板を貼って表現し、メリハリを付けてみました。

各パーツ
〈キリシマ〉はどちらかというと全体を構成するパーツが比較的少ない方で助かります。
今思いつく主なパーツは魚雷発射管8門、艦首のウイング4枚、主砲3塔、楕円型ドーム4個、艦橋、艦橋上アンテナ、後部ウイング2枚、艦尾蛇腹パーツ、尾翼2種、艦尾ノズル・・・。
いやいや、少ない方なんです。これがガレージキットの場合だと、取り付け部分にダボ穴を付けたりとかして大変ですが、キット化を前提としないので、撮影や運搬時に破損しないようにガッチリ固定します。
魚雷発射管、主砲、楕円型ドームは同じ形の物を複数必要とするので、1個作って複製。艦橋は主砲塔をベースに作ります。
各ウイングや尾翼はプラ板貼り合わせ。艦首上下のウイングは劇中ではその表現はありませんが、主砲が正面を撃てるように収納式になっていて、ギミックこそありませんが、それらしく見せるため5枚のプラ板を貼り合わせています。
艦尾の蛇腹パーツは、ホントは1個ずつ別パーツにして瓦屋根のように並べてエッジを立たせるべきかもしれませんが、 細長く切った1.2ミリプラ板を等間隔に“〔 ”状にヤスって形を出しています。 スミ入れすると案外立体感が出ていたので、削りでも十分良かったと思っています。
艦尾ノズルの突起部分ですが、電撃ホビーマガジンでは市販のミサイルパーツとウソをつきましたが、あれ実はうちの〈主力戦艦〉〈宇宙空母〉の増漕なんですよ。わっはっは。

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この頃から、編集部より頻繁に“途中経過ヲ画像付デ報告セヨ”と電信が来る。そのうちの一枚。

ディテール
パーツがほぼ取り付けられたところで、ディテールを入れていきます。一番手間が掛かる思われたのが、艦首および艦尾の姿勢制御用の涙滴型ノズル、そして楕円型ドーム上下と舷側ハッチ真下にある排水口のディテールです。
以前、艦体にある凹状の涙滴型のノズルや魚雷発射管ディテールは、プラ板やプラ棒で凸型のハンコを作り、ディテールを入れたい箇所の表面を削ってポリパテやエポパテを盛り、ハンコを押すという手法をとってきました。
今回は大きさがせいぜい3ミリ程度なので、小型の彫刻刀で彫っています。うまくいくか半信半疑だったのですが、あらかじめアタリさえしっかり決めてあげれば、案外きれいに彫れます。
排水口のディテールは最初、エバーグリーンの極細プラ板の小間切れを等間隔に並べて、穴が開いているように見せようかと思ったのですが、こちらも小型の彫刻刀で等間隔に四角く穴を掘っています。
また、ラッタルは上述のエバーグリーンの極細プラ板を貼って表現していますが、 このあとの別の「2199」作例で“コ”の字に曲げた0.3ミリ真鍮線を使用してラッタルを再現することになるのですが、 以外と精神的ストレスと時間のロスがなかったので、最初から真鍮線を使えば良かったと後悔しています。

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再び編集部より“途中経過ヲ画像付デ報告セヨ”と電信。
ちょっと色が塗ってあるのは、インテーク内部にフィンを入れてしまうと塗り分けできなくなるため。
なお、艦橋は形がムズカしくて納品直前までいじくっていました。

塗装
ヘタレモデラーの私は最近、種類の豊富なカラーから「これはこの色」って選ぶのがとてもおっくうになってきました。 プラキットにあるカラーガイドの指示がある場合はそれに従いますが・・・。
んでもうスクラッチなんかの場合、原色カラーを適当に調合して吹き付けて、クリア+フラットベースでツヤを整えるというやり方が主流になってきました。グレー系はホワイト+ブラック(+ブルー)だけで、濃度調整しながら塗っています。
それと、以前はスジ彫りやエッジ付近に基本色より暗い色を吹き付けてシャドウ部や平面部分のハイライトを表現していたのですが、最近ヤマト系艦船ではあまりやらなくなりました。何となくそれは違う気がして。

デカール
艦名、艦番号等のデカールをIllustrator、Photoshopを使用して製作し、ALPSのMDプリンタで印刷します。印刷に使うクリアデカールは私はいつもファインモールド製を使用しています。 今回はミサイル発射管やその排気口ディテール、艦橋の窓等もデカールで表現しました。下手なスジ彫りよりはよほどマシだと考えたからです。
しかしこのMDプリンタ(生産終了)が壊れちゃったら、この先どうするんだろう?
艦橋など曲面部分のデカールは、艦橋に幅広のマスキングテープを丁寧に貼ってシャーペンでアタリを描き込む→それを剥がしてスキャナーで取り込む→ Photoshopで下絵にする→Illustratorでトレースする。というちょっとめんどくさいけどかなり正確なデカールが出来る手順を踏んでいます。
敵のビーム攻撃を受けて〈キリシマ〉が被弾した時にアップになる艦尾蛇腹部分周囲の白破線のデカールは、当初入れるつもりはなかったのですが、 結構ワンポイントになっているので気に入っています。 気まぐれに五面図を元にIllustratorでトレースしたので大きさが合いませんでしたが、デカールが細いので多少長さが合わなくても調整可能です。
デカールを貼り終え後、クリア+フラットベースを全体に吹き付けて、 エナメル系のブラックでスミ流しをして、スジ彫りやディテールの段差周り以外あまり汚れが残らないように拭き取って本体は完成です。
そして締切当日早朝(3日間ほとんど寝てない)。一番最後に完成した艦橋の窓を貼った時に大トラブル。シアン100%とイエロー100%の掛け合わせグリーンで艦橋の窓色を表現したのですが、 下地カラーの赤が透けてしまい窓の色がシアン100%+イエロー100%+キリシマ赤色で真っ黒に!! ギャー!!。
パニクった頭で必死に考え、グリーンの下地にホワイトを印刷して隠蔽率を高めることで解決しました。

kirisima_decare.jpg
自作した〈キリシマ〉デカール。マゼンダ部分はホワイトを印刷するための色分けです。
印刷する時は「マゼンダをホワイトで印刷する」ってPhotoshopで指示してやればホワイトのインクリボンで印刷します。
印刷面が脆くてすぐ剥がれてしまうので、これだけスペアがあっても全然足りないこともしょっちゅうです。

おしまいに
幾多の苦難を乗り越え、ようやく完成に漕ぎ着けました。
ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました。m(_ _)m
書き足りないこともたくさんあるのですが、この辺で。
当時は精神的にボロボロで、編集部に納品できないのではないかと思った事もありました。 なにしろ普段イベントキットなんかでは、半年から1年かけて作る物を正味2ヶ月で作りましたからね。 スケジュールも押せ押せで編集担当の方には大変なご迷惑をお掛けしましたm(_ _)m
実は同時進行でもう1艇作っていたのですが、とても間に合わなくて電撃ホビーマガジン8月号では〈キリシマ〉1艦のみとなってしまいました。間に合わなかったもう1艇は、電撃ホビーマガジン9月号に掲載予定です。
最後になりますが、今回〈キリシマ〉が無事完成に漕ぎ着けたのは家族の支えはもちろんのこと、なによりも鋭之介“初代”日野氏による革命的な技術指導のおかげです。
これまで私が培ってきた製作方法とは全く違う、数々の新しいテクニックで〈キリシマ〉は製作されています。
改めて氏に厚く御礼申し上げます。

kirisima_72.jpg
編集部出撃前最後の一コマ。
もうかれこれ1月半以上〈キリシマ〉を生で見ていません。
今〈キリシマ〉はたった1艦で電撃ホビーマガジン編集部始め、あっちこっちを航海しているらしいです。
ガンバレ〈キリシマ〉!!必ず無事で帰ってこい(笑)

2012.7.22記

2015年02月16日

1/500〈キリシマ〉ガレージキットへの道(1)

ヤフオクでSOY-YA!!旧HPの画像を不正使用した1/700〈三段空母〉は30,000円で落札された模様です。
SOY-YA!!製ガレージキットの新古品や中古品を落札されるのはご自由ですが、しばらく再販の無いキットや絶版になったキットは、落札品にパーツの欠品があっても、こちらでは対応できない場合があります。入札される方は、あらかじめ出品者にキットの状態をご確認くださいませ。
とはいえ例え落札品であっても、当方のガレージキットを入手された方はSOY-YA!!の大切なお客さまです。なにかご相談がありましたら、いつでもご連絡くださいませ。

さてさて、只今Twitterではプロモデラー竹下やすひろさんによる、当SOY-YA!!製1/2400〈コルドバ〉の製作進行状況が逐一ツイートされております。
完成品は今週末2/22に新宿シネマートで行われる「クラッシャージョウ」上映会にて展示されるそうです。

それでは、1/500〈キリシマ〉ガレージキットへの道であります。( ̄^ ̄)ゞ
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当初はキット化にあたり、本体はいつも通りの一発抜きのはずだったのですが、格納庫再現なんていう大見得を切ったものですから、どうしようかと悩んでいたところに、電飾を考慮した分割にというご意見を頂いたので、本体パーツを中空にする事にしました。
そしてもうひとつの問題は艦底部の大型インテークをどうやってパーツ化するか。
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ここは作例製作時もあまりにメンドクサくて、締め切り過ぎても最後まで放置していた箇所でした。
フィンの1枚1枚を別パーツにしたら、作る方が途中でイヤんなってしまうのがありありと目に浮かぶので、多分バンダイの1/1000キットみたいな一体化したパーツになると思います。
ここってインテーク組み付ける前に、本体の喫水線を塗り分けておかないと、塗装がえらくメンドクサくなる部分なので、なんとかうまくパーツ化したいです。

ということで、まずは上部甲板部分を剥がして中身を中空化する作業を行っています。
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後ろの部分はスクレーパーを突っ込んで壊しすぎないように。
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前の部分は超音波カッターで。
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中骨はでかいニッパーやラジオペンチでバリバリと。
次はこの解体された建築物みたいな部分にプラ板でフタをします。
この続きはまた今度。

で。この次あたりに2012年7月に旧ホームページに掲載していた、電撃ホビーマガジン作例時の「1/500〈キリシマ〉製作記」をこのブログに再掲載したいと思います。
あれ結構頑張って書いた記憶があるので、勿体ないのでもう1回載せます(笑)。
皆さまよろしくお願いいたします。m(_ _)m